- 神に許しを乞うている
- ゆるされるそのときを
- いまかいまかと待っている
- いつまでもなにか
- たとえば雪が落ちる
- 花が朽ちる
- そういう音ばかり聞きながら
- おわりのときを待っている
- 悲劇の残響の中でわらっている
- 泰然と見えるようにたおやかでいる
- 悟られぬように
- おわり
- はじまることを期待している
- 裁かれて
- ゆるされることを願っている
- 価値のある明日のために
- 今日も闇の中で模索する
- 君の幸福を祈り
- 私は水を撒く
- 日光は燦々とあたりを照らしている
- 大地は春を待たず芽吹くという夢幻を
- 真実のようにきみの耳に囁く
- それがゆるされないならば
- 私は神を殺し
- やはり落ちて朽ちる音を聞いて
- 夜な夜なそっと死体を埋め墓標をたてる
- まるで悼むようなふりをして唾を吐く
- それからひとりになり
- 日陰の君が根腐れしないよう
- また慎重に水を撒く
- 君が受け取れるだけの幸福をわける
- 不出来で愛しい君のために
- できることをする
- 無価値な理を破壊する
- 価値あるきみのために
- もう大丈夫と嘯いて
- きみを置き去りにする
- そうして
- どうか許してとまた笑う
- かみさま
- かみさま
- わたしのかみさまみたいな子
- わたしのたからもの
- きみがわたしのわたしがきみの
- かみさまだったらよかったのに
- 私はずっと
- 神に赦しを乞うている